エメットテクニック① 出会い My first encounter with the Emmett

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ソレンセン式創始者ロネ先生より、エメットテックニックというソレンセン式といくつか共通する考えを持つ療法があると聞いたのは2016年の秋ごろでした。

そして2017年の春、その療法のインストラクターをしているジュディスを紹介していただきお会いする機会がありました。ウェールズ出身のエメットインストラクターでゆっくりと落ち着いた口調で、まずエメットテクニックについて語ってくれました。

作業療法士でもあるインストラクター・ジュディスによると、エメットテクニックはオーストラリア発祥で看護師、作業療法士や理学療法士などに人気の療法なのだそうです。医療従事者は勿論ですが、ライトタッチでからだの痛みや不調にアプローチできるため、クライアントにも施術者にも負担をかけずに行えるため、世界的にも広まっているそうです。

話を聞くうちにロネ先生が言っていたように、いくつかのソレンセン式との共通点が見えてきました。それは、まず余計なところに触れず脳が身体の調整に混乱しないよう、指1本を使用してタッチすることです。ソレンセン式を行う者として、まずその段階で興味をそそられました。

エメットテクニックでは施術の際にまず状態を確認し、その後数秒で行うテクニックを行った後、変化を見ていくのですが、同席していた方が首の回りが悪く車の運転などで後方を振り返り目視しにくいと言っていたため、まず、左右のどのくらいまで首を後ろに向けることができるか領域を確認し、その後鎖骨の下と後頭骨の付け根に軽く触れることを数回繰り返すだけの施術でした。

数回行った後、再度確認したところ、角度が大きく変わり真横まで顔を向けることができていました。この間1分もたっていないと思います。

普段、私たちソレンセン式セラピストは乱れの根本から整えるということに重きを置いているため、一時的な状態の緩和だけという施術にはあまり興味をそそられないのですが、エメットテクニックの面白いところは、重度の疾患や慢性疾患からくる拘縮などにも、しかるべきポイントに触れ筋肉を緩めていくことで閉じ切っていた手のひらを開いたりするテクニックなどもあると言うことです。

聞いていくと乗り物酔いや首コリ、肩こり、40肩、腰痛、など日常私たちが抱えているちょっとした肉体的不調から発達障がい児に必要な刺激や麻痺や拘縮、浮腫など様々なテクニックがあるということに驚きました。

軽い圧で行うエメットテクニックは一回のタッチはわずか数秒、それを数回繰り返すだけなので、一か所に対して1~2分で変化が見られる興味深いテクニックでした。

施術や説明を受けていくうちに、ロネ先生が注目していた気持ちが分かるようになりました。

伺ってみると現在世界36か国に広まっているとのこと。そして、学習障がい児へのテクニックや動物に対してのテクニックがあるなど、ソレンセン式と共通する部分がいくつも出てきたことで、更に興味が深まり、ご縁を感じた私にジュディスが考案者のロス・エメット氏を紹介してくださました。

日本に戻った後、オーストラリアの本部と直接やり取りを開始しました。実際に講座を受けるべく自分が調整可能な日程で受けられる場所(国)を探していたところ、現在は上級コースしか教えていないロス・エメット氏自身が行うモジュール1&2を見つけ、本部のあるオーストラリアのクイーンズランドまで行くことにしました。

 

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